【建物保守事例】見えないところこそ定期点検を——受水槽の清掃・水質検査の実際の画像

【建物保守事例】見えないところこそ定期点検を——受水槽の清掃・水質検査の実際

建物維持管理

【建物保守事例】見えないところこそ定期点検を——受水槽の清掃・水質検査の実際

こんにちは、栄広住建スタッフです。
今回は、当社が大阪市内でお預かりしております賃貸マンションで実施した受水槽の定期清掃・点検・水質検査の様子をご紹介します。
「入居者様の目に触れることはほとんどないけれど、日々の暮らしを支えている設備」の代表格が、この受水槽・給水ポンプです。今回は年1回の定期点検にあわせて、清掃から水質検査までの一連の流れを写真とともにお伝えします。


■受水槽の定期清掃・点検はなぜ必要か

マンションの多くは、水道本管から受水槽にいったん水を貯め、加圧給水ポンプで各住戸に送る仕組みになっています。この受水槽は、有効容量が10㎥を超える場合、水道法上の「簡易専用水道」にあたり、年1回以上の清掃と、登録検査機関による年1回以上の検査が義務づけられています。10㎥以下の場合も、自治体の条例や指導にもとづき同等の管理を行うのが一般的です。いずれの場合も、清掃にあわせて給水設備の点検・水質検査まで実施しておくことが、安全な給水を保つうえで欠かせません。

普段は目にする機会のない設備ですが、清掃を怠ると水質の悪化につながりかねません。当社では、専門業者による定期清掃・点検を確実に実施し、記録を残すようにしています。


■作業の流れ(写真付き)

今回の物件には受水槽が2基あり、それぞれ清掃前→清掃中→清掃後の流れで作業を行いました。

受水槽1清掃前
①清掃前。槽内の水を抜いた状態で内部の汚れを確認します


受水槽1清掃中
②清掃中。作業員が槽内に入り、壁面・底面を手作業でブラッシング


受水槽1清掃後
③清掃後。壁面の汚れが落ち、槽内がきれいになりました


受水槽2清掃前
④もう一基の受水槽も同様に清掃前の状態を確認


塩素消毒
⑤清掃後は次亜塩素酸ソーダ溶液(12%溶液を2,400倍に希釈)で槽内を消毒

受水槽2清掃後
⑥消毒後、水で洗い流して作業完了。残留塩素・濁度・臭いも清掃直後にその場で確認しています


作業は、厚生労働大臣の登録を受けた講習会(貯水槽清掃作業監督者講習会)を修了した有資格者が担当。受水槽本体だけでなく、加圧給水ポンプ・制御盤まであわせて点検します。


■点検で見つかった小さな異変も、記録に残す

今回の点検結果は「機能正常・特記する異常なし」でしたが、点検担当者から加圧給水ポンプ1台に軽度の異音ありという所感が記録として残されました。すぐに交換・修理が必要なレベルではありませんが、こうした小さな気づきを見逃さず記録しておくことが、将来的な故障の予兆を早期につかむことにつながります。次回点検時にあわせて経過を確認する予定です。


■水質検査の結果(全11項目、基準適合)

清掃後には、蛇口から採取した水を専門の検査機関に提出し、水質基準項目のうち11項目について検査を実施しました。結果は全項目「基準適合」です。

検査項目検査結果基準値
一般細菌0 CFU/mL100以下
大腸菌検出せず検出されないこと
亜硝酸態窒素0.004mg/L未満0.04以下
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素0.8mg/L10以下
塩化物イオン12mg/L200以下
有機物(TOC)0.7mg/L3以下
pH値(25℃)7.75.8〜8.6
異常なし異常でないこと
臭気異常なし異常でないこと
色度0.5度未満5以下
濁度0.2度未満2以下

特に一般細菌が「0」、大腸菌も「検出せず」という結果は、日頃の清掃・管理が適切に行われていることの裏付けと言えます。数値化された検査結果を確認できるのは、入居者様にとってはもちろん、管理を担う私たちにとっても大切な安心材料です。


■この取り組みからお伝えしたいこと

① 見えない設備ほど、記録で「見える化」する。
受水槽は日常的に目に触れる場所ではないからこそ、清掃・点検を確実に実施し、写真と数値で記録に残すことを大切にしています。

② 「異常なし」の中の小さな所見も見逃さない。
今回のポンプの軽度異音のように、致命的ではない小さな気づきも記録し、次回点検で経過を追う——この積み重ねが、大きな故障やトラブルの予防につながります。

③ 水質は「数値」で確認できる安心を。
検査した11項目すべてが基準に適合したという結果を、そのまま管理報告として残せることは、建物・設備の資産価値を維持するうえでも重要な要素です。



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