【建物保守事例】外壁のひび割れが雨漏りに——3年間の点検記録と南面外壁改修工事の画像

【建物保守事例】外壁のひび割れが雨漏りに——3年間の点検記録と南面外壁改修工事

建物維持管理

【建物保守事例】外壁のひび割れが雨漏りに——3年間の点検記録と南面外壁改修工事

こんにちは、栄広住建スタッフです。
今回は、当社が大阪市内でお預かりしております賃貸マンションで実施した外壁改修工事の事例をご紹介します。
「外壁のひび割れを、いつ・どこまで直すべきか」は、多くのオーナー様が悩まれるテーマです。本記事では、劣化の発見から雨漏りの発生、修繕プランの検討、工事完了までの実際の流れを、当時の記録写真とともにお伝えします。


■劣化の発見と経過観察(工事の約3年前〜)

きっかけは、定期巡回時に建物南側の外壁で見つけたひび割れ(クラック)でした。発見時点では雨漏り等の実害はありませんでしたが、位置と長さを写真で記録し、経過観察の対象としました。


発見当時の南面外壁に走るヘアークラック


発見当時の南側外壁。目地をまたいでヘアークラックが走っています


約9ヶ月後の巡回で同じ箇所を確認したところ、クラックが伸び、幅もわずかに広がっていることがわかりました。この時点でオーナー様には「将来的に補修が必要になる可能性が高い」ことを写真つきでご報告しています。

約9ヶ月後、進行が確認された外壁のクラック


経過観察中のクラック。進行の記録が後の判断材料になりました




■雨漏りの発生(工事の約3ヶ月前)

その後の大雨の際、南側1階のお部屋の入居者様から「壁紙が浮いてきた」とご連絡をいただきました。現地を確認すると、外壁に面した壁の壁紙に浮き・しわ・水染みが出ており、外壁からの浸水が室内に達していることが判明しました。

雨漏りにより室内の壁紙に生じた浮きとしわ


室内側の状況。外壁に面した壁一面に壁紙の浮きとしわが発生


点検の結果、浸水経路として疑われたのは次の2点でした。

  • 経過観察していた南側外壁のクラック
  • 外壁パネルの目地シーリングの経年劣化

それとは別に、雨樋の劣化による割れも発見されました。

ひび割れと苔の付着が見られる竪樋の継手部



竪樋の継手部。ひび割れと苔の付着が見られ、洗濯排水の漏れを確認しました




■修繕プランのご提案——「応急処置」と「全面改修」の2案

オーナー様には、施工会社と打合せのうえ2つのプランのご提示となりました。


プランA:応急処置プランB:南面全面改修
内容脚立で届く範囲のクラックにコーキング処理のみ足場を架け、クラック処理+目地シーリング打ち替え(約245m)+南面全体の塗装(約143㎡)
費用感数万円数十万円規模
再発リスク高い(手の届かない箇所・目地・雨樋は未対応のまま)低い(浸水経路をまとめて遮断)


応急処置は費用を抑えられますが、今回の浸水経路が複数にまたがっていたことから、部分補修では再発時に内装復旧費用や入居者様への対応が繰り返し発生するリスクが残ります。オーナー様とご相談のうえ、長期的な資産価値の維持を重視してプランB(南面全面改修)を選択いただきました。



■作業前——足場の設置

工事はまず足場の設置から。近隣様への事前のご挨拶と、入居者様への工事案内を行ったうえで着工しました。


南面全体に設置した足場とメッシュシート


南面全体に足場とメッシュシートを設置。ここから約2週間の工事です


足場の内側から見上げた養生の様子


足場の内側から見上げた様子。メッシュシートと単管パイプで建物全体を養生しています


建物の各階に沿って組まれた足場


足場は建物の各階に沿って組まれ、樋の補修のために一部折り返しての設置となりました。



■作業中——浸水経路をひとつずつ塞ぐ

工事は次の手順で進めました。

  1. クラック処理・目地シーリング打ち替え:既存の劣化シーリングを撤去し、打ち替え
  2. 微弾性フィラーの塗布:下地の細かなひび割れに追従する微弾性フィラーを「なみがた模様」で塗布し、既存の外壁の意匠を保ちながら防水層を形成
  3. 上塗り2回:外壁全体を2回塗りで仕上げ
  4. 付帯部の塗装・補修:笠木・軒樋も塗装し、劣化していた竪樋の継手部は補修のうえ塗装仕上げ

外壁への下地材(シーラー)塗布作業


下地材の塗布


外壁のひび割れ部分の補修作業

ひび割れ部分の補修



外壁の1回目塗装

壁面1回目塗装



外壁の2回目塗装

壁面2回目塗装



笠木の錆落とし(ケレン)作業

笠木錆落とし



笠木への錆止め塗布

笠木錆止め塗布



笠木の塗装1回目

笠木塗装1回目



塗装が仕上がった笠木

笠木仕上がり


軒樋の上塗り2回目
軒樋の塗装、外壁だけでなく付帯部もあわせて仕上げます




劣化していた竪樋の継手部は補修処理のうえ塗装で仕上げていきます。


竪樋の補修作業

樋の補修

竪樋の補修作業(継手部の処理)

樋の補修2



補修後の竪樋の塗装

樋の補修後の塗装



■作業後——浸水経路を断ち、外観も一新

クラック・目地・雨樋という複数の浸水経路をまとめて処理し、工事は完了。仕上がり確認では、塗膜の状態・シーリングの打ち残しがないことを現地でチェックしました。


改修が完了した南面外壁

完了後の南面外壁。防水性の回復とあわせて外観も美しくなりました



補修・塗装が完了した竪樋

補修・塗装を終えた竪樋。継手部の水回りも解消しています




■この事例から見えたこと

① 「記録し続ける」ことが、最善のタイミングでの判断につながります。
今回、発見から工事まで約3年の経過記録があったことで、劣化の進行度をもとにオーナー様へ具体的なご提案ができました。ひび割れは見つけた瞬間に大工事が必要になるわけではありません。大切なのは、放置するのではなく「記録と定点観察」による見守りでした。


② 雨漏りは「起きてから」では選択肢が狭まります。
室内に被害が出ると、外壁工事に加えて内装復旧・入居者様への対応が発生します。空室リスクや信頼低下も含めれば、予防的な修繕のほうが結果的に安価に収まるケースは少なくありません。


③ 複数プランの比較で、納得感のある意思決定を。
応急処置と恒久対策、それぞれの費用と再発リスクを並べてご提示し、オーナー様ご自身に選んでいただく——当社はこの進め方を大切にしています。


■お問合せ

栄広住建 株式会社
〒547-0027 大阪市平野区喜連2-7-25
TEL:06-6701-4800 / FAX:06-6701-5049
E-mail:eikou@gaea.ocn.ne.jp


栄広住建は、大阪市平野区を中心に賃貸マンション・アパートの管理を行っています。定期巡回による建物点検、修繕プランのご提案、施工会社の手配・工事立会いまで一貫して対応いたします。

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